稲わらとおじ様とお役所仕事

 2017年 10月5日 木曜日。本日は稲わらをただで手に入れる為、急遽○○市へ向かうこととなりました。

 事前に市のホームページで確認してみると地図に稲わらを持って帰ることができる田んぼが記載されていました。ただ地図の縮尺が大きすぎて地元の人間じゃないと場所がどこか絶対に分からないような代物。「こんなことだからお役所仕事っていわれるんでございますわよ」とブツブツ言いながら田んぼの場所をグーグルマップに落としていきます。田んぼの数は全部で75カ所。○○市全域に点在しているので車のトランクが満杯になるまでドライブがてら回ってみることにいたしました。

 ○○市に到着して一番近い田んぼにいってみると・・・まぁ道中の道が狭い。いわゆる田んぼのあぜ道を少々広くしたような道で、走行していると「Uターンできる所はあるのかしら?・・・・対向車がきたらどうしましょ?」と色々不安をおぼえます。

 どうせなら利用者の事を考えて広い道路沿いの田んぼにすればいいのに・・・数十メートルしか離れてないんだから・・・・「こんなことだからお役所仕事っていわれるんでございますわよ」またぼやいてしまいましたわ。オホホホホホ

 田んぼに到着すると確かに稲刈りは終わってますが、稲わらは無し。稲わらを自由に持って帰ってよいという目印の旗も見当たらず・・・・。

 おかしいですわね?と思い○○市のHPを再度確認すると「稲を持って帰ることができる期間はその田んぼの稲刈り時期によって異なります。また稲わらが無くなり次第終了です」とのこと。

 「なるほど。この田んぼはかなり以前に稲刈りを行って稲わらも無くなってしまったということでございますわね」。けどそれならせめて稲刈りを行った日(もしくは行う予定日)くらいHPに簡単でいいから記載しておいて下さいまし!「こんなことだからお役所仕事っていわれるんでございますわよ!」またまたぼやいてしまいましたわ。オホホホホホ。

 この日は○○市の東側から西に向けて順番に田んぼをチェックしていったのですが・・・・・・持って帰れるような稲わらは結局見つからず・・・・・・・。

 75カ所もあった田んぼも残すところ5カ所ほどとなった頃、「もう帰ろうかしら」と心が折れかかっていた時、なにやら青いつなぎを来た初老の男性が腕を組みながら私の車を見ています。

 体格はかなりガッシリとしていて察するところ自動車の整備関係のお仕事をされているのでは?と思われます。少々渋めでなかなか私好みの方でございますが年齢が離れすぎておりますわ・・・・残念。

 そしてこのおじ様がなぜ私の方を見ているかというと、どうやら私が車を停めた場所がこのおじ様の整備工場の敷地内だったみたいで、私は一瞬「ヤバイですわ!🙀」と思ったのですが、どうせついでだから稲わらの事なにか知らないか聞いてみることにしました。

私「あのーすいません。ここら辺で稲わらを持って帰ることができる田んぼありませんか」

おじ様「稲わらが欲しいのか?」

私「はい」

おじ様「どれくらい欲しいのよ?」

私「まぁ稲わらがあるんなら車に積めるぶん・・・・」

おじ様「おめぇ稲わらの事誰から聞いた?」

 なんかこのおじ様怖いですわ~😱と多少尻込みしながら「市のHPで・・あと昨日のニュースでもやってましたわ」

 おじ様「あっちの田んぼでやってら」と指さします。「そこ曲がって道に車停めて稲わら持ってけばいい」

私「ありがとうございますぅ~」(なんか雰囲気が気まずいからこの場は早く立ち去りましょう)とそそくさと車に乗り込みます。

 けどこういう時に限って信号が赤なんですね~。

 私が信号待ちしている間もおじ様は私の方を見ていたのですが、やがて歩きだし道路を渡って私の方に近づいてきます。ちょうど信号が青になった時です。

私(キャーおじ様~信号青でございますよ~。車に轢かれますわよ~🙀)

おじ様「すぐそこに車停めろ」と交差点脇の空き地を指さします。

私(なんか気に障ることでもしたかしら?いくら私が若くて魅力的とはいえ??白昼堂々乱暴されるようなことはないと思いますが・・・・・)などと多少の不安を覚えながら私が車を停めると「いろんな奴が稲わらとりに来ているからもう無いかもしれねぇけど、まずここに車停めて一度田んぼを見てこい」とおじ様が言います。

私が「いや~なかったら無かったで構わないですわ。しょうがないです。」というと

おじ様「そんな訳にもいかねぇべ。あんた××市から来たんだろ?手ぶらで帰るのか?」

 おじ様は私の車のナンバープレートを見て100kmほど離れた××市から来た事を察したようです。

私が「いやぁ~」などとモジモジしていると「ほら。あそこに軽トラ停まってるべ」と道路を指さします。確かに田んぼ脇の道路に軽トラが止まってます。

 おじ様「早く田んぼに行って稲わらに手ぇつけてこい。でないと軽トラに全部持ってかれるぞ」

 見るとその田んぼには稲わらを自由に持って帰ってもよいという目印の旗がないのですが、おっさんが行けというので田んぼのあぜ道を突き進む私。あぜ道に稲わらの束が6束ほど転がっていたのでおっさんの方を見るとおっさんは頭の上に腕をあげOKのマークをしています。少々事情が飲み込めないのですがとりあえず稲わらを抱えて道路に戻る私。見ると軽トラはすでに稲わらを回収した後のようで、いなくなっていました。

 稲わらを抱えて歩くか弱き乙女と手ぶらで歩くいかつい初老のおじ様の二人。なんとなく構図が逆のような気もしますが車まで歩いて戻り私がお礼をいうと、「まだまだ積めるべ。車持っていって積んでいけ」と言いおじ様はそのまま工場の方に歩いてゆきました。私は改めて「どうもありがとうございました」とお礼をいいましたがおじ様は振り返ることなくそのまま立ち去って行きました。

 私はその後車を移動させ車のトランクに詰めるだけの稲わらを積みました。田んぼは前日に雨が降った為か水たまりができていましたが、地盤はしっかりと固まっていて普通の靴でも入っていくことができました。けど長靴はあった方がいいですね。

 小洒落た服を着た嫁入り前の乙女が田んぼに入り、稲わらを担いで戻ってくる・・・・。もし来年も来るようでしたらもう少し落ち着いた作業に適した服装にしようと後悔いたしました。

 さてこの日収穫した稲わらは14束ほど。一束300円として4200円。対してガソリン代は往復の移動距離が250kmでしたので大体2100円くらい。十分元はとれましたね。前日の試算に対して移動距離が増えているのは田んぼを探して○○市内を走り回ったからでございます。

 なお稲わらを自由に持って帰ることができる田んぼには目印の旗が立てられているのですが、この旗自体が小さく見つけにくいこと、また対象の田んぼ全てに旗が立つわけではなく、そのエリアの中心に旗を立てるのだそうで、私が稲わらをもらった田んぼも旗は立ってませんでしたが対象エリアだったというわけです。だけどそんなこと分からないですよね。間違って持って帰ったら下手したら泥棒扱いです。お役所さん達はこういうきめ細やかな心配りが完全に足りませんね。

 わら焼き被害を無くする為に稲わらを無料で提供する企画自体は素晴らしいと思うのですが、その内容は散々。「はい。ただで持って帰っていいよ。けど自分たちでちゃんと調べてね。俺たちは忙しいんだから」なんてことは言ってませんがそんな感じが伝わってきます。「こんなことだからお役所仕事っていわれるんでございますわよ💢」また またまたぼやいてしまいました。「まぁおかげさまでナイスオールドマンに出会うことができましたけど💗」

 稲わらの提供は来年も利用したいですけど、お役所の皆さんは我々の税金で生活しているのですからもうちょっと利用者目線で物事を考えてほしいものでございます。

 最後にあの無愛想なおじ様ぁ~。本当にありがとうございました。世知辛い世の中とはいえまだまだ捨てたもんじゃないでございますわねぇ~。素敵な思い出がまた1つ増えましたわ💗ウフフフフフ。

稲わら

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